どんな本??
著者紹介
森 博嗣(もり ひろし)
1957年、愛知県生まれ。作家。工学博士。
某国立大学工学部助教授として勤務するかたわら、1996年に『すべてがFになる』で第一回メフィスト賞を受賞し、作家としてデビュー。
以後、次々と作品を発表し人気作家として不動の地位を築く。現在までに300冊以上の著書が出版されている。
内容紹介
本書では、「面白さ」が何なのか、どうやって生まれるのか、というメカニズムを考察し、それを作り出そうとしている人たちのヒントになることを目的として、大事なことや、そちらへ行かないようにという注意点を述べようと思う。
同時に、「面白さ」を知ること、生み出すことが、すなわち「生きる」ことの価値だという観点から、「面白い人生」についても、できるだけヒントになるような知見を、後半で言及したい。
――「はじめに」より
「面白さ」とは?
著者は、本の中で様々な『面白さ』について解説してくれている。
様々な状況や文脈のなかで使われる『面白さ』の持つ意味について、改めて定義付をしてくれている。
問題提起があり、論じていくというよりかは著者が考える『面白さ』について話を聞いている感覚になる一冊。
私はミステリー小説、映画が好きだ。
ミステリーの何が好きかって、それは「え!!!!!こいつが!?そういうことだったの!?」と、
自分の期待が裏切られる驚き、そこに働く人間の人間臭い心理を垣間見れることが『面白い』。
著者はそんなミステリー小説を多く著書の持つ作家である。
そんな著者が語る『面白さ』とは???
1~3章では、「面白さ」という単語をさらに細分化しつつ解説している。
4章以降は実際の生活や社会で私たちがどう「面白さ」と関わっていくかを述べている。
第一章 「面白い」にもいろいろある
最近流行の「面白さ」は「共感」/「新しい」ものは「面白い」
第二章 「可笑しい」という「面白さ」
「可笑しい」から「面白い」/「可笑しさ」を作る二つの方法
第三章 「興味深い」という「面白さ」
「展開」の「面白さ」/「設定」の「面白さ」
第四章 「面白い」について答える
エンタテインメントについて/人生の悩みへの回答
第五章 「生きる」ことは、「面白い」のか?
仕事の面白さとは?/「一人の面白さ」が本物
第六章 「面白さ」は社会に満ちているのか?
量産化された「面白さ」の価値/「面白さ」は古くなるのか?
第七章 「面白く」生きるにはどうすれば良いか?
「面白さ」はアウトプットにある/アウトプットをアシストする商品
第八章 「面白さ」さえあれば孤独でも良い
「孤高」こそ、現代人が注目すべきもの/外部に発散しない「面白さ」が本物
第九章 「面白さ」の条件とは
発明の手法から「面白さ」作りを学ぶ/「小さな新しさ」を探すしかない
「目次」より
読んだ感想
印象に残ったところ
第4章は、作者へ「面白さ」について様々な視点から質問をしているQアンドAコーナーとなっていて、
その中で印象に残ったところを紹介します!
Q.「周りの人から『面白い人』と思われるためにはどうすれば良いですか?」
A.さあ、考えたこともありません。面白い人と思われることになにか価値があるのでしょうか?
どんな良いことがあるのでしょうか?
人を笑わせて稼ぐのが仕事の人だったら、面白いと思われないといけないと思います。
それが仕事であれば、必死で考えて、練習をするなどの努力を重ねるしかありません。
でも、そうでないのなら、べつにどう思われてもよろしいのでは?
(第4章『面白い』について考える より)
私の友人は本当に面白い人が多く、状況に合ってユーモアの効いた発言の裏には、
頭の回転の速さや豊富な語彙力、言葉の選択力があるのだと思います。
そんな猛者にくらべて自分は「なんてつまらないんだ!!!みんな、私といて楽しいのかな・・・・」
と本気で悩んだこともあった私にとって、目から鱗、納得の回答でした。
著者が語る「面白さ」には一般論として言える部分と個人的な部分に分けられて語られていて、
特に個人的な「面白さ」についての著者の意見には「なるほどなあ」と思うことが多くありました。
コメントを残す