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  • 『あやうく一生懸命生きるところだった(文・イラスト:ハ・ワン 訳:岡崎暢子)』レビュー

    『あやうく一生懸命生きるところだった(文・イラスト:ハ・ワン 訳:岡崎暢子)』レビュー

    どんな本??

    文・イラスト:ハ・ワン 訳:岡崎 暢子

    ハ・ワン
    イラストレーター、作家。
    1ウォンでも多く稼ぎたいと、会社勤めとイラストレーターのダブルワークに奔走していたある日、
    「こんなに一生懸命生きているのに、自分の人生はなんでこうも冴えないんだ」と、
    やりきれない気持ちが限界に達し、40歳を目前にして何のプランもないまま会社を辞める。
    こうしてフリーのイラストレーターとなったが、仕事のオファーはなく、
    さらには絵を描くこと自体それほど好きでもないという決定的な事実に気づく。
    以降、ごろごろしてはビールを飲むことだけが日課になった。
    特技は、言い訳つけて仕事を断ること、貯金の食い潰し、昼ビール堪能、などがある。
    書籍へのイラスト提供や、自作の絵本も1冊あるが、詳細は公表していない。

    岡崎 暢子
    韓日翻訳・編集者。1973年生まれ。
    女子美術大学芸術学部デザイン科卒業。
    在学中より韓国語に興味を持ち、高麗大学などで学ぶ。
    帰国後、韓国人留学生向けフリーペーパーや韓国語学習誌、韓流ムック、翻訳書籍などの編集を手掛けながら翻訳に携わる。
    訳書に『Paint it Rock マンガで読むロックの歴史』、翻訳協力に『大韓ロック探訪記(海を渡って、ギターを仕事にした男)』(ともにDU BOOKS)など。

    内容紹介

    【「心が軽くなる」と話題の韓国のベストセラーエッセイ】
    ★韓国大手書店 KYOBO文庫「2019年上期ベスト10」
    ★韓国のネット書店YES24「2018年最高の本」
    ★「人生に悩み、疲れたときに立ち止まる勇気と自分らしく生きるための後押しをもらえた」
    ――有安杏果さん推薦!

    東方神起のメンバーの愛読書としても話題となった、
    心がラクになる、ベストセラー人生エッセイがついに邦訳!

    「こんなに一生懸命生きているのに、
    自分の人生はなんでこうも冴えないんだ」と、
    やりきれない気持ちが限界に達し、
    40歳を目前にして何のプランもないまま会社を辞め、
    「一生懸命生きない」と決めた著者。

    ★ムリしてやる気を出さない
    ★みんなに合わせない
    ★金持ちを目指さない
    ★失敗したら、いさぎよく諦める
    ★なんでも深刻に向き合いすぎない
    ★「年相応」に縛られない
    ★「やりたい仕事」を探そうとしない
    ★何もしない一日を大切にする……

    全力で走り続けることを辞めたことで見えてきた、
    自分をすり減らす毎日から抜け出し、
    自分らしく生きるコツとは?

    (amazon サイトより引用)


    装丁に目を惹かれた一冊!

    書店で見かけ、装丁に目を惹かれ手に取り、内容も興味をそそられ購入しました。
    さすがイラストレーターの著者だけあり、イラストがとっても可愛い!
    構図、色使いがとても素敵なのです。
    線と面の使い方で程よくぬけ感もあり、リラックスした絵にこちらの心もほぐれます。
    文章も優しい語り口でとても読みやすいです。
    所々に日本の漫画や映画、小説のことについても触れており、嬉しく思いました。

    ゆるくて可愛いイラスト!色使いも素敵。
    章の扉絵。写真だとわかりづらいけれど、ピンクの地に紺色の文字の配色が可愛い
    扉絵後ろのこのページも可愛くて好き!

    現代の多様な価値観の中で溺れる私たちに響く言葉たち

    著者の経験から感じられたことを中心に語られています。
    共感、共感、共感の嵐!!
    「頑張ること」「より良い暮らし」「理想的な完璧な自分」
    そういったものが良しとされている世の中。
    確かに、昔は「終身雇用、マイホーム、結婚して家族を持ち、暮らすこと」
    が多くの人にとってのモデルケースとされ目指されていただろう。
    インターネットの普及だったり、目まぐるしく変わり発展していく技術、
    その技術の恩恵を受け変わっていく社会。
    終身雇用の終焉が見えてきた中で、あらゆる「働き方」が出てきて、多様化していく社会生活。
    選択の自由は時に私たちを不自由にさせ、「この生き方で幸せなの?」かどうかわからなくなる。
    他人と比べて、「自分はあの人より幸せ?」「あの人は自分より幸せそうだ」などと、
    自分の幸せが迷子になって、不安になり、落ち込む日もたくさんある。

    そんな時に、著者の実際に経験したことを基に紡がれる、等身大な言葉たちに
    わたしたちは勇気をもらえる。

    走り続けて疲れた心に沁みる一冊です!

    読んだ感想

    心に響いたところ

    1章の中から響いた言葉たちを紹介していきます!

    何もない自分は負け組だ・・・・
    そうだ。他人をうらやんだら負けるのだ。
    だから、うらやんではいけない。
    「負けた」という感情ほど惨めなもにはないから。
    うらやましいと思わなければ敗北もない。

    ところで、誰に負けているのだろう?

    (第1章 こうなりたくて、頑張ってきたわけじゃない より)

    何のために必死に頑張っているの?
    誰が一番お金を稼ぐかでしょう大会?
    誰が一番最初に家を買うでしょうか大会?
    誰が一番出世するでしょうか大会?
    (第1章 こうなりたくて、頑張ってきたわけじゃない より)

    最近、ずっと考えていたことだった。
    「何者かになりたい!!」
    SNSで知る有名人、キラキラした人たち。そんな人たちと較べて落ち込み、
    「所詮、自分にはできないし才能も何もないし」と行動をしない言い訳に。
    だってね、心底うらやましんですもん!!!うらやましいの!!!
    自分もキラキラしたい!そんな願望、みんなあるよね??

    改めて考えてみると、僕らは小さい頃から精神論を刷り込まれてきた。
    「一生懸命やりなさい」
    「頑張らない者は何事も得られない」
    「努力なしに得た成功は成功じゃない」

    必死に努力したからといって、必ずしも見返りがあるとは限らない。
    必死にやらなかったからといって、見返りがないわけでもない。
    そうだ、僕らが信じてきたこととは違い、人生とは実に皮肉なのである。

    小さい頃から教育されてきた「努力、根性論」
    大人になるにつれて、「努力したからといって成功するわけじゃないんだ」
    という現実と向き合うことになるのです・・・
    だったら小学生の頃から教えて欲しかった。

    「人生マニュアル」を捨てて自分らしく
    自分の人生なのに、自分の気持ちなのに、どうして他人の評価によって大丈夫だったり大丈夫じゃなかったりするんだろう?
    みんなが正しいと信じる価値観に同意しない者への暴力。
    なぜ周りに倣わない?説明してみろよと。

    本当に恥ずべきは、この年で何も持ち合わせていないことではなく、自分なりのポリシーや方向性を持たずに生きてきたという事実かもしれない。
    これまでほしがってきたものは全部、他人が提示したものだった。
    (第1章 こうなりたくて、頑張ってきたわけじゃない より)

    そう、自分に向き合って、「自分にとっての幸せ」を考える必要があるんですよね。
    そこが難しいのだけど、避けては通れない。
    避けても避けても、問題は迫ってくる。。。

    賢明なあきらめには、勇気が必要だ。
    失敗を認める勇気。
    努力と時間が実を結ばなかったら、潔く振っ切る勇気。
    失敗しても、新たなことにチャレンジする勇気。
    我慢して闇雲に努力することだけが能力ではない。
    (第1章 こうなりたくて、頑張ってきたわけじゃない より)

    失敗はみっともないから、認めたくない。
    かっこ悪い自分になりたくない。(本当はかっこ悪いことにも気付いているけど、そんな自分を見たくない)
    失敗は悪!だめ!よくない!!!情けない自分を見たくない!!
    そんな気持ちに支配され、どんどん行動しなくなったり、生きづらさを感じてしまう。

    うまくやりたい、失敗したくない。
    力むというのはつまり柔軟ではないということ。恐れがあるということだ。
    僕らは、力まずには生きられない。
    力を抜けば倒れてしまうと思い、さらに力む。
    恥ずかしいが、僕も怖くてずっと力を抜くことができなかった。
    力を抜くとはつまり、リラックスで、柔軟で、自然体で、欲を出さないこと。
    それができず、今までの人生を必死に生きてきた。
    (第1章 こうなりたくて、頑張ってきたわけじゃない より)

    この言葉たち、響く方はたくさんいるんじゃないかな?
    力を抜くと倒れてしまうから、踏ん張って、力んで、本当の自分を抑えて・・・
    もうそろそろ、楽に生きて生きたい。
    私もそのうちの1人です。。。

    読んだ感想

    頑張れなくても、いいんだって思えた

    タイトルからもわかるように「頑張らなくてもいい」ことを教えてくれる。
    言われたいけど、なかなか言われない言葉。
    「あの人は自分よりもこんなに頑張ってるのに、自分なんてこんなことで音をあげて・・・」
    などと思うことがよくある。
    でも、もういいのです!
    生きてるだけで、すごくない??!って思う。
    働いて、お金を稼いで、生活していく。
    これだけで十分すごいこと、頑張ってること。
    そもそも、頑張る=正しいことなのか??
    頑張りすぎた結果、自分の心身が壊れてしまうこともあるのに・・・

    頑張らなくても、いい。
    でも、頑張ってもいい。
    どちらでもいい、自分のペースで、自分が何に幸せを感じるのか?
    本心はどこにあるのか?
    そういうことを改めて考えていくことの大切さを改めて学びました。

    自分らしく、自然体で生きていくこと

    これが何より難しい!!
    自分のことをすごいヤツだって思いたいし、ダメなヤツだなんて思いたくない。
    でも本当は、苦手なこともたくさんある、だらけるのが大好きだし、空気を読めなかったり
    気をつかえなかったりもする。恥ずかしいことも情けないこともたくさんある。
    おそらく、それらが人生からなくなることはないし、自分でどうにかできることでもない。
    どうしようもない。だってそれが「自分」なのだから。

    何より一番は、「自分のことを好きになりたい」んですよね。
    でも難しいんだけどね。
    ただ、これからの人生の中、これまでの人生で何があっても、
    「自分は自分の最大の味方でいよう」と思いました。
    何があっても、自分だけは自分のことそ見捨てない。
    そういった心持ちが、自分と仲良くなれる第一歩なんじゃないかな?と思いました。
    (今まで、自分はダメなヤツだってたくさんいじめてごめんね。その時々で、自分のできる範囲で、自分の小さな頭で考えて生きていたのにね)

    人生に疲れた人!!きっとこの本の中にあなたの気持ちに寄り添って「大丈夫だよ」って言ってくれる言葉があるはず。
    全286ページで読み応えもあります。気になった方は是非読んでみてください!

  • 日本を代表するミステリー作家が語る!『面白いとは何か?面白く生きるには?(著:森 博嗣 )』レビュー

    日本を代表するミステリー作家が語る!『面白いとは何か?面白く生きるには?(著:森 博嗣 )』レビュー

    どんな本??

    著者紹介

    森 博嗣(もり ひろし)
    1957年、愛知県生まれ。作家。工学博士。
    某国立大学工学部助教授として勤務するかたわら、1996年に『すべてがFになる』で第一回メフィスト賞を受賞し、作家としてデビュー。
    以後、次々と作品を発表し人気作家として不動の地位を築く。現在までに300冊以上の著書が出版されている。

    内容紹介

    本書では、「面白さ」が何なのか、どうやって生まれるのか、というメカニズムを考察し、それを作り出そうとしている人たちのヒントになることを目的として、大事なことや、そちらへ行かないようにという注意点を述べようと思う。
    同時に、「面白さ」を知ること、生み出すことが、すなわち「生きる」ことの価値だという観点から、「面白い人生」についても、できるだけヒントになるような知見を、後半で言及したい。
    ――「はじめに」より

    「面白さ」とは?

    著者は、本の中で様々な『面白さ』について解説してくれている。
    様々な状況や文脈のなかで使われる『面白さ』の持つ意味について、改めて定義付をしてくれている。
    問題提起があり、論じていくというよりかは著者が考える『面白さ』について話を聞いている感覚になる一冊。

    私はミステリー小説、映画が好きだ。
    ミステリーの何が好きかって、それは「え!!!!!こいつが!?そういうことだったの!?」と、
    自分の期待が裏切られる驚き、そこに働く人間の人間臭い心理を垣間見れることが『面白い』。

    著者はそんなミステリー小説を多く著書の持つ作家である。
    そんな著者が語る『面白さ』とは???

    1~3章では、「面白さ」という単語をさらに細分化しつつ解説している。
    4章以降は実際の生活や社会で私たちがどう「面白さ」と関わっていくかを述べている。

    第一章 「面白い」にもいろいろある
    最近流行の「面白さ」は「共感」/「新しい」ものは「面白い」

    第二章 「可笑しい」という「面白さ」
    「可笑しい」から「面白い」/「可笑しさ」を作る二つの方法

    第三章 「興味深い」という「面白さ」
    「展開」の「面白さ」/「設定」の「面白さ」

    第四章 「面白い」について答える
    エンタテインメントについて/人生の悩みへの回答

    第五章 「生きる」ことは、「面白い」のか?
    仕事の面白さとは?/「一人の面白さ」が本物

    第六章 「面白さ」は社会に満ちているのか?
    量産化された「面白さ」の価値/「面白さ」は古くなるのか?

    第七章 「面白く」生きるにはどうすれば良いか?
    「面白さ」はアウトプットにある/アウトプットをアシストする商品

    第八章 「面白さ」さえあれば孤独でも良い
    「孤高」こそ、現代人が注目すべきもの/外部に発散しない「面白さ」が本物

    第九章 「面白さ」の条件とは
    発明の手法から「面白さ」作りを学ぶ/「小さな新しさ」を探すしかない

    「目次」より

    読んだ感想

    印象に残ったところ

    第4章は、作者へ「面白さ」について様々な視点から質問をしているQアンドAコーナーとなっていて、
    その中で印象に残ったところを紹介します!

    Q.「周りの人から『面白い人』と思われるためにはどうすれば良いですか?」
    A.さあ、考えたこともありません。面白い人と思われることになにか価値があるのでしょうか?
    どんな良いことがあるのでしょうか?
    人を笑わせて稼ぐのが仕事の人だったら、面白いと思われないといけないと思います。
    それが仕事であれば、必死で考えて、練習をするなどの努力を重ねるしかありません。
    でも、そうでないのなら、べつにどう思われてもよろしいのでは?

    (第4章『面白い』について考える より)

    私の友人は本当に面白い人が多く、状況に合ってユーモアの効いた発言の裏には、
    頭の回転の速さや豊富な語彙力、言葉の選択力があるのだと思います。
    そんな猛者にくらべて自分は「なんてつまらないんだ!!!みんな、私といて楽しいのかな・・・・」
    と本気で悩んだこともあった私にとって、目から鱗、納得の回答でした。

    著者が語る「面白さ」には一般論として言える部分と個人的な部分に分けられて語られていて、
    特に個人的な「面白さ」についての著者の意見には「なるほどなあ」と思うことが多くありました。

  • 山ちゃんはやっぱり天才だ!「天才はあきらめた」(著:山里亮太)感想

    山ちゃんはやっぱり天才だ!「天才はあきらめた」(著:山里亮太)感想

    「天才はあきらめた」(著:山里亮太)紹介

    「自分は天才にはなれない」。そう悟った日から、地獄のような努力がはじまった。
    嫉妬の化け物・南海キャンディーズ山里は、どんなに悔しいことがあっても、
    それをガソリンにして今日も爆走する。
    コンビ不仲という暗黒時代を乗り越え再挑戦したM-1グランプリ。
    そして単独ライブ。
    その舞台でようやく見つけた景色とは――。
    2006年に発売された『天才になりたい』を本人が全ページにわたり徹底的に大改稿、
    新しいエピソードを加筆して、まさかの文庫化!
    格好悪いこと、情けないことも全て書いた、芸人の魂の記録。
    《解説・オードリー若林正恭》

    感想

    気に入ったところ

    天才はきっと逃げ道なんか見えてないんだろうな。まっすぐゴールに向けての道しか見えてないんだろうな。そしてそれを苦労と思わずただただ呼吸するように進んでいってるんだろうな。(第1章「何者か」になりたいより)

    第1章のタイトルから「読みたい」欲をそそられた。
    私も「何者か」になりたい、と身がよじれそうなくらいに思った。
    (でもこの「何者か」になりたいというのは、強すぎる自己承認欲求でもあって、それをどう昇華させればいいんだ!?とネットの海を泳いでいた時に、この本を見つけたのでした!!!ちなみに、映画「何者」もとても刺さる内容で良かったです)


    「どうしたらああいうネタができるんですか?」
    その答えは2組とも一緒だった。
    「自分が客席にいたとして、その自分が見て笑うものをやっているだけ」
    当たり前というテンションで出されたその答えは、僕にとっては衝撃的だった。
    僕が考えているものには、いつだって自分はいなかった。お客さんは何を言ったら笑うのかばかり考えていた。
    もう1人の自分を置く・・・・・。
    もう1人の自分って?自分は何を笑っている?何がしたい?
    俺って一体?と考え始めたものの、すぐには答えは出なかった。
    (第3章 焦り より)

    お客さんがどう思うか?ということを第一に考えていた山ちゃん。
    他者の評価が一番の基準だった。そして気付くと「自分」がいないことに気が付く。
    「周りの評価より、自分が自分を認めてあげればいいんだ!」という言葉を良く聞くけれど。
    そんなことはわかっているのですが、これが一番難しくないですか!?
    でも、これが真実なんですよね。自分らしく生きることが一番心地よい生き方なんでしょうけど。
    社会生活をしている私たちにとって、他者は切り離すことはできないし。

    今ならわかる。こうやって自分ができないところを見つけては自分を責めるということが、無意識に逃げる理由ができて居心地が良かったということを。
    (第4章 有頂天、そしてどん底 より)

    僕が笑い声を聞くことなんてできないんじゃないか?とか悲劇のヒーローっぽいことを頭で紡ぎだして、また落ち込んで逃げていた。
    (終章 泣きたい夜を越えて より)

    めっちゃわかる!!!!「自分はこうなれないし、できる実力もセンスもない。」そうやって諦めることで、努力から逃げる。
    あんなに頭の回転も早くて語彙力が豊富で、どう見ても「天才」な山ちゃんも、こんな風に思っていたんだなあ、と、もっと好きになりました。

    へこむということで全ての努力することから逃げるという最悪のブレーキ。
    これがなくなったことで、また努力することができた。
    そしてもう一度スタートラインを確認しようということに、やっと気づいた。
    ネタだ。それも自分が楽しいと思うもの。それを意識してとりあえず書きまくった。
    (終章 泣きたい夜を越えて より)

    ここで、山ちゃんは「他者基準」ではなく、初めて「自分基準」で楽しいと思うことを書こうと到った。
    これって、自分のことを認めたり、自分の感覚を信じることができたからこそできること。
    私もそうんな風になりたい、と思いました。

    自分を晒せる人の強さ

    私は、カッコつけたがりだ。
    人に対して良く見せたがる。でもこの自伝の中で山ちゃんはこんなことまで!?いいの!?というようなブラック、というよりか人としてどうなんだ!?という黒歴史を晒してくれている。
    相方に対しての数々の所業。
    そしてストイックなまでのお笑いに対する姿勢。
    こうも人の人間臭さを味わうことができるこの自伝は、とても読み応えがありました!

    若林さんの解説もとても良い

    本編はさることながら、若林さんの解説文がめちゃくちゃ良かった。
    お二方とも、私から見たら天才だなあ、と思うのだけれど。
    若林さんから見た山ちゃん、そして読者がこの本を読みながら、「天才はあきらめた」っていうけどやっぱり山ちゃんは天才じゃん!!!ということを代弁してくれた。


    文体もさすが山ちゃん、クスっと笑えつつ、読みやすい。
    もっと山ちゃんが好きになりました!
    是非読んでみてください〜!

  • 『考えるとはどういうことか 0歳から100歳までの哲学入門(著:梶谷 真司)』レビュー

    『考えるとはどういうことか 0歳から100歳までの哲学入門(著:梶谷 真司)』レビュー

    どんな本??

    著者紹介

    梶谷 真司 かじたに しんじ
    1966年、名古屋市生まれ。89年、京都大学文学部哲学科宗教学卒業。
    94年、京都大学大学院人間・環境学研究科修士課程修了。
    97年、京都大学大学院人間・環境学研究科博士後期課程修了、京都大学博士(人間・環境学)。
    現在、東京大学大学院総合文化研究科教授。著書に『シュミッツ現象学の根本問題』(京都大学学術出版会)がある。

    内容紹介

    日本での教育、社会では、「考えること」について教えてくれず、
    それよりかは「いかに期待された答えを出すか」が大切とされている。

    それは、親、先生、上司が期待する答えをいかに導き出すかということ。
    そのような社会の中では、自分が本当に思ったことを言うことはできない。
    否定されるんじゃないか、みっともない思いをするんじゃないか。
    そうして自分を抑圧している。

    その中で筆者は、「哲学対話」を通して、
    自分が他者に自分の考えを『否定せず聞いてくれる場に於いて』語ること、
    また、自分とは違う立場で違う考えを持った他者の考えを聞くことにより、
    人は自由になる、自らを解き放つことができると言っている。

    そしてそれは、自分1人ではできず、他者がいるからできることであり、
    ただ哲学的な知識をインプットすることではなく、体験するこどが大事だと。
    (ただし、思考を広げるためには知識も必要)
    考えることで、自由になれる。

    以下、印象的だった箇所を本文より引用します。
    『考えることは、誰のためでもなく自分のため。どんなにつたなくても、自分でつまづいて自分で考えたことしか、その人のものにはならない。

    読んだ感想

    考えたこと

    私たちは「こうあることが正しい」「こうあることが、理想的だ」など
    いつのまにか、そんなしがらみの中で生きている。

    幸いにも、私が通っていた高校では「世間に惑わされず、主体性を持ち自分で考えること」
    を校訓にかかげていたため、当時から「自分で考え行動すること、そしてその責任は全て自分にある」
    と教えられながら過ごしていた。

    その教えは、校風にも勿論生きていた。 そんな母校には感謝しているし、大好きな場所だ。
    そこで私は、自由と責任ということを学んだ。

    そうであってもやはり、この社会で生きる限り、理想をよしとすること、正しいと言われていることがよいこと、そんな枠組みに囚われて生きている

    日々の生活の中で、なんだか少し息苦しさを感じる時もある。
    自分らしくあること、そしてそれと同じように、他者も他者らしくあること
    その多様性の中で生きていて、絶対的な正しさなんてないということ。
    わかってはいても、なんだか息苦しい。
    そんな時に、哲学対話を行うことで、自分が解き放たれる。。。
    哲学対話、興味湧いてきませんか?!

    この本はとてもわかりやすく書いています。 冒頭にもあるように、誰が読んでもわかる言葉だし、読者が筆者が伝えたい意味とは違う解釈をしないように説明もしてくれていて、とても良い文章だなぁ、と思いました。


    思ったこと

    私はここ数年、ADHDをきっかけに、自分の考えは間違っているんだ、、
    と思い過ごしてきました。

    世の中にある正しさ、普通というものを意識するようになったことをきっかけに、
    自分が苦しくなったり、悲しくなったり、傷付くくらいなら、
    他者を排除して、できるだけ自分の殻にこもろう!と思い、
    仲良い人以外との交流をしていませんでした。
    (ちなみに、元々は色んな人と関わることがとても好きな人間でした。)

    そんな自分から解き放たれたい!!と思い、
    哲学対話を行なっているカフェやイベントを調べ、
    近場にあったので今度行こうと思っています。

    今年の目標は、不自由な自分からの脱却!!もっともっと、人と関わっていきたい。
    自分のちっぽけなプライドのせいで、傷付くことを恐れている。
    そんな自分とサヨナラしたいーーーー!!!

    前回レビューしたこちらの本でも同様に、経験を大事にしていますね。
    頭でグルグル考えることも大事だけれど、
    実際に経験し行動し、主体的に関わっていくことが大切なんですよね。

    本当に読みやすいしわかりやすい本なので、興味ある方は是非読んでみてください!

  • 『朝30分を続けなさい(著:古市幸雄)』レビュー

    『朝30分を続けなさい(著:古市幸雄)』レビュー

    どんな本??

    著者紹介

    古市 幸雄 ふるいち・ゆきお

    明治学院大学文学部英文科卒。
    読売新聞社編集局写真部退職後、ニューヨーク州立大学で経営学修士号(MBA)を取得。


    帰国後、3年間で翻訳、手帳・目標設定関連、英語学校の3つのビジネスを立ち上げる。
    自身の試行錯誤の経験から、実践的な勉強法を提唱。勉強の習慣がない人に向けて書いた『「1日30分」を続けなさい!』(マガジンハウス)は、40万部を超えるベストセラーになっている。

    中学・高校、各種塾・予備校・専門学校の教師が多数、同著を生徒に推奨している。
    目標実現の指南書『あなたが成功する手帳の使い方』は、3,000名以上が実践中。
    その他、大人向けの学習教材を多数提供しており、特に『お金と投資セミナー』は隠れたベストセラー教材になっている。

    英語学校では、日本で唯一、発音とリスニングを同時に向上させるプログラムを提供しており、4ヶ月待ちの状態。著書に『英会話学校に行かない人ほど、うまくなる』(ダイヤモンド社)もある。

    内容紹介

    平凡な私達が周囲と差別化し成功するには、ただ日々コツコツと単調なことを繰り返し勉強していくしかない。

    そんな「当たり前」のことを言っているように思えるが、その「当たり前」をどれだけの人が続けているだろうか。

    天才と謳われ成功している人は、コツコツと単調なことの繰り返しの上に成り立っている。であれば、非凡な私たちこそより一掃「毎日コツコツと勉強を続けていく」ことが大事なのでは?

    「成功したい」と思いつつも、外部からのラッキーチャンスを夢見るだけで行動しない人、勉強方法を勉強しているだけで実際に行動しない人に、グサリと刺さる言葉の数々!

    これを読めば、あなたもすぐに「朝30分だけでも続けよう!」という気になるはず!!!(私はなりました)

    読んだ感想

    何かを習得するにあたり、私たちは「ラッキーパンチ」を求める。
    「何もせず、楽に」習得したいと思う。

    でもそんなことは一部の天才を除き、いや、天才ですら「愚直にコツコツ」積み重ねている
    少しずつ勉強をする。それを続ける。そのことすらできている人はいるか?とのこと。

    めちゃくちゃ刺さる!!!
    本当にこれ、私じゃん!!!てなりました。


    楽とか、努力もせずに、何かを成し遂げることはできない。
    本当に、私は「楽な方楽な方へ」を選択しているなあと。

    著者はあくまで読者たちの自主性、主体性を重視しています。
    そんなところもとても良いなーっと思いました。

    何事も、誰かにやらされるのとそうでないのとではモチベーションも全く違いますしね。
    ラッキーを夢見て行動しない人たちに厳しい言葉をかけてくれています。

    そんな言葉たちに、私はハッとさせられました
    すぐに変化を求めて、すぐに変わらなければ諦めてしまう私にとって、
    続けることの大切さ、続けることは努力や工夫なくしては出来ないことも教えてくれました。

    どちらかというと、具体的な勉強方法というよりかは、
    単調なことを続けていく大切さ、努力についてのマインドを教えてくれる本だなーっと思いました。

    実際に、今私はダイエットを4月頃から初めていますが。
    全く痩せていません。それどころか少し増えました。
    意志が弱く、食事制限が全く進んでいません。
    すぐに結果を求めているからです。

    1週間食事制限を頑張ってもすぐに結果は見えず、また食べてしまっています。
    当たり前のことですが、自分が溜め込んだ脂肪を燃焼させて痩せるには努力が必要です。

    私はその努力もせずに、「痩せない!!何かもっと痩せる方法はないの?!」と、
    SNSやネットで情報を調べる日々。
    そんなことではいつまで経っても痩せませんよね。

    ある程度、我慢が必要なのに、その我慢をしたくないなんて。
    この本では勉強のことを言っていますが、ダイエットにも当てはまると思うんです。

    夜は仕事から帰ってきてご飯を食べてお風呂に入ると、ついだらだらしてしまう。
    なので、朝早起きして、朝に筋トレをすることにしました。

    数日しか経っていませんが、朝だと通勤時間までに終わらせないと!という時間制限もあるし、
    やっぱり仕事の後に行うのはモチベーションが上がらないので、
    朝に筋トレすることが向いてるなぁ!と思いました。

    あとは食事制限も、お菓子は平日NGというルールを設け、
    なんとか1週間を目標に頑張ります…。


    人は放っておけば堕落する生き物です。楽な方がいいに決まってます。
    でも、自分の人生をより良くするには、単調でつまらないことの積み重ねが大切です

    私のような、やりたいこと、目標はあるけど努力する行動が出来ていないなという方に、是非読んでいただきたい本です!

    私も頑張るぞ〜!!